福島県石川町にある社会福祉法人桜が丘学園は、福島第一原子力発電所事故により、避難指示区域に指定されている富岡町の知的障害児施設東洋学園の利用者5名と職員3名を受け入れました。
東洋学園の利用者は、原発事故発生の翌日3月12日に、福島県田村市にある法人の関係施設へ全員が避難、そこでは200人以上の利用者と職員がひしめきあうように避難生活を送っていました。桜ヶ丘学園は、衣類や下着が不足しているという情報をきき、職員が物資を集め避難先に届ける活動を行っていました。また、震災発生後、すぐに東洋学園に連絡をし、いつでも受け入れる準備を整えているとメッセージを伝えました。
そのような折、特に支援が必要な利用者5名について、桜が丘学園で支援することとしました。
桜が丘学園では、3月31日から4月6日まで支援を行いました。支援内容は食事の提供や看護師による支援、通院の付き添い、避難している障害児の保護者の話し相手、福祉や教育の情報提供を東洋学園職員3名とともに行いました。そのほか、多くの施設利用者が避難する体育館には施設職員の有志で、たい焼きを焼いたりしました。
中村邦子施設長は「受け入れた当初、インフルエンザに罹患していたりと病弱であったようだ。また、避難先では利用者の状態に合わせた食事提供(きざみ食など)が十分にできる環境がなかったほど大変だったのではないか」とふりかえります。
その後、東洋学園は、千葉県鴨川市「鴨川青年の家」を集団避難先と決め、現在も避難生活を送っているといいます。
また、桜が丘学園も原発から60キロ圏内に位置してあることから、今後の不測の事態に備えて、利用者と職員の、移動手段(バス)、ガソリン(燃料)、水、食料等を確保するとともに、移動について第一次メンバー(避難するグループ)、第二次メンバー(施設に残るグループ)を分けるなどの準備をすすめています。
原発事故の状況が明らかになってきた4月3日以降、全職員を対象に「放射能に関する研修会」を開催し、放射能に対する知識と更なる原発事故が起きた際の対処法について職員同士で情報を共有しています。
同法人の桜が丘愛生園の石田務施設長は「避難指示区域に指定されてからは着の身着のままで皆が避難している。利用者のカルテや処方箋もない状況で薬や食事がどれだけいきわたったことか。災害が起きた際に医療機関とどのように連携するか、日ごろから話し合っておくことが大事」と語りました。